楽器メーカーが浜松市に集中しているのはナゼ?
ヤマハ、カワイ、ローランド、鈴木楽器。大手の楽器メーカーって浜松市に集中しているんですよね。ピアノ教室という音楽教育の末席に身を置く者としては、浜松市には足を向けて寝られません。でも前々から疑問に思ってたんで、この際いろいろ調べてみました。
管理人は作業中、よく音楽を聴いています。
スピーカーから、ヘッドホンから、お気に入りの音楽を聴きながらの作業は、集中力も高まってはかどります。
文章を書くときに日本語歌詞の歌はちょっと頭が混乱するのでNGですが、作業内容に合わせて選曲すると、効率アップするんですよね。
今回のピアノ発表会のイラストも、iTunesで新たにアルバムを2つ購入して、それを聴きながら描いたわけなんです。
しかし毎日ヘビーローテーションで聴いていると、かなり飽きてくるんで、定期的に新譜を仕入れないと、マンネリになっちゃうんですよね。
で今回購入したのは…
…の2アルバム。
Corner Stone Cuesってなんだ? と思われるかもしれませんね。
実は管理人もよくわかりません。紆余曲折あって、たまたまたどり着いたんです。ほんと偶然なんです、出会いって。
一応ちょっとだけ調べてみたところ、ロサンゼルスを拠点に活動している音楽レーベル・音楽制作会社みたいです。主にテレビ番組のテーマ曲や映画音楽などを手掛けているようで、どちらかというとEpic Music系なのかもしれません。
Epic Musicとは、壮大・荘厳かつ雄大な世界観を感じさせる楽曲のことを指し、映画やゲーム、特にSFやファンタジー、歴史物、戦記物などと相性が良く、予告編などで使われていたりします。その反面、映画のサウンドトラックとは区別され、あまり一般に販売されることは少ないようですね。実にもったいない。
……管理人、実はEpic Musicが大好物。iTunesで全曲試聴しまくって、即ダウンロード。凄く気に入りました。
ではアルバム『Eton Path』収録ナンバーから1曲。
「Madokara Mieru(窓から見える)」をどうぞ。
タイトルもそうですが、曲も聴いていただければわかるように日本語の歌です。とても美しく雄大で、「ザ・美しい国、日本」って感じの素晴らしい曲。ちょっと感動しています。
作曲は中国系アメリカ人で、米国で活躍しているクリストファー・ティン(Christopher Tin / 田志仁)さん。
そして作詞ですが、歌詞をそのまま全文掲載するのは
https://lyricstranslate.com/ja/mado-kara-mieru-mada-kara-mieru.html
風情のある綺麗な詩ですが、実は四人の俳人による六つの俳句を元にアレンジ・構成されています。
俳人は…
…の四名。
正岡子規以外の俳人については、不勉強故に存じ上げませんでした。いや……学がないってつらい。
歌詞に使われている六句は春夏秋冬、そしてまた春と、季節の句によって構成されています。
梅一輪 一輪程の あたたかさ(服部 嵐雪)
目には青葉 山ほととぎす 初鰹(山口 素堂)
余命 いくばくかある 夜短し(正岡 子規)
秋風の 山をまはるや 鐘の声(加賀 千代女)
雪の家に 寝て居ると思う ばかりにて(正岡 子規)
いちはつの 一輪白し 春の暮(正岡 子規)
耳をよ~く澄まして「Madokara Mieru」を聴くと、これら季節感あふれる俳句が効果的に使われていることに気が付きます。この構成を考えたのもクリストファー・ティンさんなんですが、何というか日本の季節感の移ろいを見事に活写していて、感服します。
この「Madokara Mieru」には、作曲者であるクリストファー・ティンさんによるバージョンもあります。
先程ご紹介したバージョンはCorner Stone Cuesバージョンとでもいいますか、購入したデータには一応(Feat. Christopher Tin)と付いています。
それに対してクリストファー・ティン バージョンでは、曲名が「Mado Kara Mieru」と微妙に異なり、なおかつ(feat. Lia, Aoi Tada, Kaori Omura)が付いています。
曲は大まかには同じですが、歌詞の一部が微妙に違うのと、歌手がネイティブな日本人アーティストに変更されているので、発音のニュアンスも微妙に違っています。
まあ、聴いてみる方が早いですよね。どうぞ。
フューチャリング(feat.)として名前があがっている…
…の三名の方々は、幅広く活躍されているシンガーで、特にアニソン方面では多くのファンがいらっしゃるようです。また、共にヴォーカル・プロジェクト「
上記動画の概要欄に書かれたクリストファー・ティンさんの解説によると、俳句による季節の移り変わりと共に、曲中の各パートによって歌い手が…
…と変化していくのは、若さ、老い、死、そして生まれ変わりという人生のサイクルを表しているのだとか。
この曲から非常に重みのある印象を受けるのは、日本の季節感と同期させる形で、死生観をも表しているからなんですね。感服します。
さて、この「Mado Kara Mieru (feat. Lia, Aoi Tada, Kaori Omura)」は、クリストファー・ティンさんのアルバム『Calling All Dawns』に収録されています。
『Calling All Dawns』は、第53回グラミー賞(2010)の最優秀クラシカル・クロスオーバー・アルバムを、また同アルバム収録の「Baba Yetu(ババイェツの歌)」が最優秀インストゥルメンタル編曲(ヴォーカルあり)に、ダブル受賞しています。
※上記リンク先はグラミー賞公式サイトの各受賞部門となりますが、読み込みに時間がかかるかもしれません。
「Baba Yetu(ババイェツの歌)」は、スタンフォード大学時代のルームメイトで、後にゲームデザイナーになったソーレン・ジョンソン氏が、自身が制作する文明をテーマにしたストラテジーゲーム「シヴィライゼーションIV」のために、テーマ曲の作曲を依頼したことで誕生した楽曲です。
Baba Yetu(ババイェツ)とはスワヒリ語で「我らの父」を意味し、歌詞はキリスト教の祈祷文「主の祈り(主祷文)」をスワヒリ語に訳したものをベースにしているとか。
よく聴くと「Mado Kara Mieru」でも使われたフレーズが。気づきました?
人類の起源や文明の誕生~発展を感じさせる壮大な楽曲は、ゲーム音楽として初めてグラミー賞受賞という快挙を成し遂げました。YouTubeには各国の歴史をモチーフに、同曲をフューチャーした動画がチラホラあるみたいですよ。
なおCorner Stone Cues版の「Madokara Mieru」は、2020年11月現在、iTunesやAmazonで見つけることができません。もう購入することはできないかも?
一方、同曲が収録された『Calling All Dawns』の方は、iTunes・Amazon共に購入可能のようですので、もしご興味があれば、是非!
Christopher Tin 関連サイト
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ヤマハ、カワイ、ローランド、鈴木楽器。大手の楽器メーカーって浜松市に集中しているんですよね。ピアノ教室という音楽教育の末席に身を置く者としては、浜松市には足を向けて寝られません。でも前々から疑問に思ってたんで、この際いろいろ調べてみました。
なぜ幻のピアノなのか?日本に3台しかないから?ニュースからはよくわかりません。そんなわけで、少し探っていきたいと思います。
日本の季節感と死生観を四俳人の六句を元に美しく雄大に描いた楽曲「Mado Kara Mieru」と、作曲者クリストファー・ティンについて、動画を交えながら解説。またCorner Stone Cues版と『Calling All Dawns』版の違いや、グラミー賞受賞の「Baba Yetu」についても。
まだ感想めいたことを書いてなかったので、一応書いとこうと思います。でも、管理人はピアノの素人ですので、演奏レベルとか技術論については完全スルーしますね
ピアノ教室管理人なんて名乗っている割に、ぜんぜん楽譜が読めないわけなんですが、「道行くあの人は楽譜が読めるのか?」というのは、割りと気になってしまうわけです。日本の識譜率、読譜率はどうなんでしょうかね?