ピアノと騎手の似ているとこ - ヤマハリトルピアニストコンサートの感想にかえて -

ピアノと騎手の似ているとこ - ヤマハリトルピアニストコンサートの感想にかえて -

先日、ヤマハのリトルピアニストコンサートに行ってきた、という記事を書きましたが、まだ感想めいたことを書いてなかったので、一応書いとこうと思います。

でも、管理人はピアノの素人ですので、演奏レベルとか技術論については完全スルーしますね。あくまで個人の感想です。

それではいってみましょう。

最初の1音で聞き分けて

先日のリトルピアニストコンサートで一番記憶に残っているのは、12日の第2部終了時にあった総評です。総評では審査をされている先生が登壇し、そこまでの演奏に関する評価をされます。

そこで壇上に立った先生がこんな話をされました。

不幸にもピアノというのはヴァイオリンなどと違って、ステージ上では自分のピアノで弾くことができません。自宅、ピアノ教室、そしてステージでは、それぞれ弾くピアノが違うんです。

それぞれのピアノには、それぞれ特徴やクセがあります。また、弾いている環境も違うので、音の響きや聴こえ方も違います。

ステージ上で演奏する場合は最初の1音で聞き分けて、自分で調整しなければなりません。

はじめて弾くそのピアノに合わせ、ホールの音の響きに合わせ、瞬時に調整する必要があるんです。

だいたいこんなニュアンスのことを、会場にいるみなさんに話してくださったんですね。

それを聞きながら「なるほどね~」と思いつつ、音楽やピアノとはまったく関係のない、とある職業の方々のことを思い出しました。

それは……

スタートした瞬間に理解する

……それは競馬の騎手、です。

競馬の騎手はいつも同じ馬に乗っているわけじゃないんですよね。ましてや自分の所有馬に乗っているわけでもありません。

実力馬ならともかく、ほとんどの競走馬は騎手の乗り替わりは日常茶飯事。レースで手綱をとる騎手は、結構頻繁に変わってるんです。

「オウ、○○くん、土曜日に中山でうちの馬に乗ってくれないか?」

なーんて調教師さんに声をかけられ数日後にレースで乗る、なんてことザラだと思われます。もちろん、はじめて乗る馬なんていうのもザラ。

走る競馬場や距離、天候、コンディション、他のメンツなど、常に環境は一定ではありません。

レースではスタートした瞬間、その馬のことを理解し、判断しなければいけません。もちろん、結果を出すことを求めれられています。

はじめて乗る馬であっても、です。

瞬時にピアノの個性をつかむ

よくピアノを弾く人が「今日はピアノに嫌われてしまった」と言うことがあります。ステージ上ではじめて弾くピアノだったとき、うまく馴染めなかった場合に出てくる言葉ですよね。

出場者が多いためリハーサルができない一発勝負のコンクールなどで、よく聞かれるセリフみたいです。

同様に騎手の方も「馬に嫌われたなぁ」と思うこともあるんでしょうね。生き物相手なので、相性もあるのかもしれません。

  • ステージ上のピアノと周りの環境、それを演奏する人
  • 競走馬と周りの環境、それに乗る騎手

無機物の楽器と有機物の生き物、という違いはあますが、どちらも個性や特性、クセなどがあるのは同じです。それをどう操るかは演奏者と騎手の役目、というのも同じですよね。

ヤマハ リトルピアニストコンサートの総評を聞きながら、なんだか似てるな~って、思った次第です。

ピアノの場合、小さな子どもたちにもそれが求められるのはちょっと酷かなと思いましたが、リトルピアニストコンサートの場合はそれなりに経験値の高い子ばかりなので、まあ大丈夫なんでしょう。総評もそれを前提に話されているのかも。

ちなみに全盛期の武豊騎手って、そんなこんながバツグンに上手かったんだろうな~って想像したり。おそらく一流のピアニストの人も、ピアノの個性をつかむのが上手いんでしょうね。

どんな世界でも、一流には共通点があるってことですか。

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